【ドクター・医療法人様向け 歯科医院経営のリスクマネジメント】
#4 ~迫りくる大震災にどう備えるか~
#4 ~迫りくる大震災にどう備えるか~

震度7を観測した震災:1995年-阪神淡路大震災・2000年-鳥取県西部地震・2004年-新潟県中越地震・2011年-東日本大震災・2016年-熊本地震・2018年-大阪北部地震?・2018年-北海道胆振東部地震

日本は、複雑な地殻構造上に位置する世界有数の地震発生国で、どこにいても地震に対する十分な備えが必要であることを、熊本地震で再認識させられることになりました。阪神大震災以降、大きな地震の惨状を繰り返し目の当たりにしていても、何も具体的な対策をとってこなかった院長でも、真剣に対策を講じなければと危機感を持たれているのではないでしょうか。

学校や企業では、定期的に防災訓練が行われ、各家庭でも非常食の備蓄をしています。スーパーマーケットでは防災コーナーが常設されているほどで、日本人の「地震」に対するリスク認識は高く、十分な備えがあるようにも思われます。ところが、地震がもたらす経済的な損失に対しては、「ファイナンスが十分」とはいえない状況にあるのです。

 関東直下地震や東南海地震の発生も危ぶまれているなかで、揺れを感じる度に「とうとう来たか!」と身体をこわばらせながらも、具体的な対策となると、まだ始めていない先生も多いのではないでしょうか。しかし、起きてしまってからでは遅いのです、すぐに自分に必要な対策を講じてください。

震災がもたらす経済的なダメージは、みんな一様ではありません。自分が被災した場合の状況を想定して、必要な対策を考えてみてください。賃貸住宅に住んでいるのか、持家なのか。持家であっても、住宅ローンは残っているのか完済しているのかでも、被災した場合の状況は異なります。

また、公務員、大企業の従業員、地場企業の従業員など、勤務先によっても状況は変わってきます。公務員や、製造・販売拠点をグローバルに展開している大企業に勤めているのであれば、極地的な大地震に見舞われて、給料が未払いになることはないでしょう。しかし、地場企業に勤務していて操業停止となれば、給与の不払いや倒産となってしまうかも知れないのです。生活基盤や収入までも奪われてしまうことにもなりかねないのです。

自営業の場合でも、食品関連の仕事であれば、震災後もある程度の売り上げを見込むことはできるでしょう。しかし、エステサロンやネイルサロン、ペットショップを経営しているのであれば、どれほどの売り上げを見込めるのでしょうか。震災によって陥る状況は、人それぞれ違うのです。さて、歯科医院の場合は、どんな状況に追い込まれてしまうのでしょうか。

歯科医院はユニットの機能を使用する治療が中心のため、医療機器の損壊にくわえ、電気や水道の寸断も診療に大きな支障をきたします。また、医療機器が損壊すれば、ユニットやパノラマレントゲンなど、高額な再購入費用も必要とされ、診療再開までのハードルは他の診療科目に比べても高いと言えます。

資金計画内いっぱいの借入れをしていて、開業間もない時期に被災し医療機器が破壊・焼失してしまった場合には、再起は困難を極めてしまいます。仮に新たな融資が下りたとしても、破壊・焼失した医療機器のローンと、新たな融資の二重のローン返済を強いられるのです。しかも、震災は他の事故や災害とは異なり、スタッフも患者さんも、そして技工所も全てが被災者なのです。レセプト件数は3割減、金額ベースでは半減といった状況が続く中で、二重のローン返済を抱えた再起となることを認識して対策を考えなければなりません。

幸いにも建物やユニットの被害が少なくても、ライフラインの寸断が、歯科診療には大きな影響を与えます。停電となれば、レントゲンが使えず歯管治療はできません。レセプトも慣れない手書きとなり、点数を書くことも苦労する先生もいるのではないでしょうか。休診期間が長引けば、経営体力はどんどん削がれていきます。新たな設備投資が困難となれば、勤務医としての再出発を考えざるを得ませんが、それも、年齢や診療スタイルによって状況はことなるでしょう。

阪神大震災の時には、全焼・全壊したクリニックには、福祉共済から800万円の見舞金が支払われ、東日本大震災でも、全壊・流失・全焼・大規模半壊の場合は800万円、半壊・半焼は200万円の見舞金が支給されたとのことです。日本歯科医師会からの義援金は全壊で60万円程度だったとのことですが、これも歯科医師会員でなければ受けられない補償となります。

自助努力のファイナンスが必要なことは言うまでもありませんが、一般に普及しているクリニックの保険では、地震による建物や医療機器の損壊、休業時の診療報酬は補償されません。地殻変動を伴う災害(地震・噴火・津波)による被害は補償の対象外となっているのです。地震による損害を補償する保険商品は、一部の保険会社から発売されているのですが、知らされていない院長も多いようです。建物の建築年や耐火構造など、加入には一定の条件がありますが、建物や医療機器の損害のほか、休診期間の診療報酬までも最長12カ月の補償を受けられます。建物や医療機器に被害はなくても、ライフラインの寸断による休診も補償の対象となる、歯科医院が待ち望んだ補償内容だといえます。

起きてしまうことが避けられないのであれば、事が起こってしまったときに、どう対応できるのかが重要となります。万一被災した自分に手を差しのべてくれるのは、今の自分だけなのかも知れないのです。必要以上に保険に依存することは勧められませんが、事業ローンの残債も多く、預貯金も少ない開業まもない先生には、地震に対するファイナンスは最大限の対策を講じてほしいと思います。そうしなければ不可抗力の自然災害で、人生を棒に振ってしまうかもしれないのです。

【関東大地震の周期:70年周期】 

1633年:寛永小田原地震(M7.0) 

(70年後) 

1703年:元禄地震(M7.9~8.2) 

(79年後) 

1782年:天明小田原地震(M7.0) 

(71年後) 

1853年:嘉永小田原地震(M6.7) 

(70年後) 

1923年:関東大震災(M7.9) 

 現在 95年経過

【東海大地震の周期:100~150年周期】 

1498年:明応地震(M8.2~8.4) 

(107年後) 

1605年:慶長地震(M7.9) 

(102年後) 

1707年:宝永地震(M8.4) 

(147年後) 

1854年:安政東海地震(M8.4) 

 現在 164年経過

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