【医師・歯科医師様向けサービス】
医師・歯科医師の皆様へ
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ドクターマーケットなどという言葉があるのをご存じでしょうか?
開業医の先生には、先物取引や証券会社、リゾート会員権や投資用マンション、そして保険営業マンからもひっきりなしの営業攻勢を受けて、へきへきとされている先生も多いのではないでしょうか。

しかし、その一方で、開業時に必要なリスクマネジメントの提案は誰からも案内されていないようです。
会計事務所からも、医業コンサルからも案内されない医院経営のリスクマネジメントの提案は、保険営業マンも理解できている方は少ないようです。

保険営業マンなのに、節税や資産運用の話しは持ちかけても、リスクマネジメントの提案をされないのです。
売りたい保険を案内されても、先生に必要な保険が案内されていないのです。

節税ができなくとも、確定申告のときに納得のいかない気持ちになっても、医院経営が破綻することはありません。
資産運用が上手にできなくとも、豊かな老後が迎えられないかも知れませんが、家族が路頭に迷うことはないでしょう。

しかし、リスクマネジメントを理解していなければ、先生とご家族の人生を棒に振ってしまうかも知れないのです。
リスクマネジメントが最優先事項なのです。

「こんなはずでは無かった」などと更改しないように、いまの状況を確認してみてはいかがでしょうか?
先生のリスク許容度と現状確認・改善提案をご案内させていただきます。

医院開業のリスクマネジメント

① 借入金に対する債務保証

医院開業のリスクマネジメントというと、開業資金の借り入れに対する債務保証として生命保険が提案されています。
クリニックを開業するにあたっては、テナント開業では保証金や敷金・前家賃・造作費用など。
戸建てのクリニックを建てるとなると、土地の取得から建物の建築費、それに加えて高額な医療機器も必要となります。
(医療機器の費用に関しては診療科目によって大きく異なります。)

開業にこぎつけるまでには、3,000万円~2億円程度の資金が必要となります。
また、保険診療では診療してから収入が得られるまでには、2カ月間のタイムラグがあります。
まして、地域で認知され患者さんが増えてくるまでに期間を要するのであれば、毎月の収支が黒字になるまでの運転資金も必要になります。

開業するにあたっては相当の借り入れをされていることも多く、借入金に対する債務保証は重要といえます。
銀行での借り入れをする場合の、借入額を基準とする団体信用保険ではなく、自在性のある保障設計をご案内させていただきます。

② 医療事故・医療訴訟に備えて

医師会に入会される場合

開業される院長の意識としては、万一の「医療訴訟」に対する不安があるでしょう。
自らが院長となれば矢面に立たされ、病医院勤務のときのように「寄らば大樹の陰」といった対応では済まされません。
開業するにあたっては、まず「医療訴訟」に対する備えをするのは当然のことです。

しかし、開業に際して日本医師会に入会されるのであれば、A①会員となり、日本医師会医師賠償責任保険制度の被保険者となります。
ですから、院長個人の医療訴訟については、基本的には対策済みと言えるのですが、それだけでは問題となることもあるのです。

③ 施設の使用・管理などに起因する損害責任

クリニックの建物や設備の使用・管理上の事故を原因とした賠償責任は、日本医師会医師賠償責任保険や
日医医賠責特約保険では補償の対象となりません。ですから、損害保険会社の施設賠償責任保険に加入しておく必要があります。
損害保険会社の医師賠償責任保険に加入すれば、施設賠償責任保険がセットになっていますから、
医師会員の院長が開業するときには、日医A①会員タイプに加入して備えるのが一般的です。

ところが、日医A①会員向けの医師賠償責任保険とは、医療事故に対する補償額は1事故100万円を限度となっていて、
日本医師会医師賠償責任保険で免責となる100万円までを補償するための保険という認識で、未加入の院長が多いようです。
施設の所有・使用・管理に起因する損害賠償に備えるという目的が見落とされてしまっているのです。

<施設賠償責任保険の例>

●トイレを詰まらせたなどで水漏れを起こし、下階の薬局を水浸しにしてしまった。
●クリニックの看板が落下し、通行人が死傷した。
●雨の日に待合室の床が濡れているのを見過ごしたために、お年寄りが足を滑らせ転倒し負傷した。
●クリニックの入っているビルで火災が起こり、従業員の避難誘導に不備があり患者さんが死傷した。など

④ 医師会未入会の場合

開業に際しても医師会に入会されなければ、損害保険会社の医師賠償責任保険の高額プランに加入して医療訴訟に備えることが必要です。
日医A会員タイプでなければ加入できないなどの制限はありませんので、自由にプランを選択できます。
勤務医さんがいる場合の包括の補償額も基本契約に応じて高額の補償を準備することが可能です。

最も重要な保険なのですが、十分な説明を受けずに、郵送やインターネット経由で加入される先生も多いようです。
また、一般的な保険代理店にとって、医師賠償責任保険はほとんど取り扱ったことのない保険商品といえます。
保険会社の社員であっても、医師賠償責任保険を熟知しているとは限りません。

開業時から、開業後に勤務医を雇う、医療法人を設立したなどの状況に応じたコンサルティングをさせていただきます。

⑤ クリニックの保険

クリニックを開業する際には、自然災害や事故の被害を受けても、復旧を確実なものとするために、事業用の総合型火災保険に加入します。
建物や医療機器などの財物被害と、その被害によって復旧するまでの休業損害の補償が必要です。

テナント開業の場合、クリニックの火災保険は賃貸借契約の仲介をした不動産業者からの案内で契約されることが多いようです。
不動産業者が入居者である先生にクリニックの保険を案内する主な目的は、
万一クリニックが火元となって火災が発生した場合、ビルオーナーなどに対しての賠償責任を果たせるように
「借家人賠償責任保険」に加入してもらうためといえます。

一方、院長の加入目的は、火災や落雷、洪水被害や、診療所あらし、車の飛び込みなど、
事故や災害・犯罪による損害から、医療機器や内装の被害を復旧させるためです。

これらの補償を十分に受けるには、その場所の状況や医療機器などの設備に応じたプランに加入しておく必要があります。
しかし、火災保険の目的が異なれば、ビルオーナーなどへの補償さえ担保できればよく、設備の内容など聞く必要もないのかも知れません。

先生はクリニックの保険の加入に際して、院内設備の内容や資産台帳を提出したうえで適正な保険金額でに加入が必要です。

また、注意が必要なのは、洪水リスクが高い地域で開業している場合です。
ゲリラ豪雨や爆弾低気圧など、ここ数年で起きた集中豪雨の中には、
過去の最多降雨量の2倍近い降雨が観測されている地点もあり、年々その激しさも増してきています。

クリニックが洪水被害を受けてしまった場合でも、これまで普及していた「店舗総合保険」などでは、
高額な設備投資がされていても、医療機器や内装などの設備に対しての損害は100万円限度の補償しか受けられません。

さらに、医療機器の破損も補償するタイプの保険でも、耳鼻咽喉科のファイバースコープや、
消化器内科の胃カメラや大腸カメラ、循環器内科のカテーテルなど体内挿入機器の破損は補償の対象外としている保険会社もあります。
十分な補償を受けられる保険会社を選択することが重要となります。

■ 診療報酬の補償

クリニックの保険で、もっとも見落とされているのが「診療報酬の補償」です。
自宅が被災したのであれば、建物や家財道具が火災保険で復旧できれば経済的な損失は回避できます。

しかし、収入を稼ぎだすクリニックが被災した場合は、医療機器や内装などの「物」に対する補償だけでは事が足りないのです。万一の休診中でも、スタッフの給与やリース料・事業ローンの返済、家庭の最低限の生活費や教育費が払えるように、休業補償に加入しておくのが院長の責任と言えます。 ビル診で診療報酬が8,000万円程度のクリニックであれば、毎月2500円程度の保険料(地域や建物の構造によって異なります)ですから、必ず押さえておきたい補償といえます。

■ 地震・噴火・津波による損害は補償されない

一般的なクリニックの保険では、地震・噴火・津波による損害は補償されていません。
地域や建物の構造、建築年などによって、契約の可否や支払限度割合などの制限がありますが、一部の保険会社から、医療機器などの財物の損害だけではなく、地震による休診まで補償する保険が提供されています。
建物や医療機器に被害はなくても、ライフラインの寸断による休診でも補償の対象となります。
めいっぱいの借り入れをした資金計画で、開業間もない時期に被災してしまうと再起は困難を極めます。

新たな融資が下りてクリニックが再建できたとしても、損壊・焼失した医療機器などの開業時の借り入れと、新たな融資の2重のローン返済を強いられます。 起きてしまうことが避けられないのであれば、ことが起こってしまった後にどう対応するのか「クライシスマネジメント」が重要となります。万一被災した自分に手を差し伸べてくれるのは、現在の自分だけなのです。
開業間もない先生は、万全な震災対策が最重要課題と言えます。

⑥ 社会保険の変更

開業に際して社会保険が変更となったことにも配慮をしておく必要があります。
病院勤務のときには、組合健保・協会けんぽ・共済保険(以下「社保」)のいずれかに加入していたと思われますが、
個人開業医になると国民健康保険(以下「国保」)か医師国保(医師会に入会された場合)に加入することになります。

社保や国保は収入に応じて保険料が計算されるのに対して、
医師国保では定額の保険料(地域によっては一部報酬比例となるところもある)となり、
収入の高い医師は医師国保へ加入することで、社会保険料負担の軽減となります。

一方で、労働環境の変化と社会保険の変更に伴って最も認識しておいて頂きたいのが「傷病手当金」についてです。

万一、病気やけがで就業不能となっても、病院勤務(社保)のときであれば、
1年6カ月間は傷病手当金で給料(バイト分は除く)の2/3相当額の収入が保障されていました。

しかし、開業医になって加入する国保には傷病手当金の制度はありません(医師国保では、少額ですが制度がある地域も)。
開業後に病気やけがで万一休診ともなれば、まったく収入が途絶えてしまうだけでなく、
クリニックの家賃や医療機器のリース料、スタッフの人件費、事業ローンの返済などの支払いが大きくのしかかってきます。

勤務医のときとは異なり、「病気」や「けが」が与える経済的なダメージは非常に大きくなります。
クリニックが原因での休診だけでなく、院長の健康リスクにも対策が必要です。

⑦ 「所得補償保険」で自助努力の傷病手当金を準備

自分の資格や技能で商売をしていて、自分が倒れてしまったら店が開けられないという業種・業態の事業主は「所得補償保険」が必須の保険となります。
夫婦で診療していたり、勤務医さんがいて自分が倒れてしまっても、固定費を払うぐらいの診療報酬が得られるという状況でなければ、所得補償保険は必須となります。

所得補償保険は、入院が給付の要件となる生命保険の「医療保険」とは異なり、医師の指示のもと自宅で療養している期間も補償の対象となり、自助努力の傷病手当金制度になります。
「地震によるけがが原因の就業不能も補償の対象となるか」「1 回の就業不能に対する補償期間」「保険料の団体割引率」「無事故戻しの有無」「更新可能年齢」など、加入団体や選択プラン・保険会社によっても補償内容や保険料が異なりますが、最も重要な選択ポイントは「更新の取扱い」についてです。

<「更新の取扱い」について>

所得補償保険は自動車保険などと同様に、1 年契約で更新するのが主流です。何年間も保険を請求をすることなく更新をしていても、たった一度でも給付を受けると翌年の更新時には、その疾病群が補償の対象外とされたり、がんなどの病気を罹患した場合には更新することを拒否されてしまいます。
所得補償保険は、健康を害してこれから保険のお世話になろうというときに、更新を拒否されてしまうことにもなりかねない理不尽な保険という反面もあるのです。

しかし、団体契約の所得補償保険に関しては、この理不尽な問題を解消するため1,000日分の給付金を受けるまでは無条件で更新が可能なものが主流となりました。
つまり、所得補償保険は個人で加入するのではなく、医師歯科医師協同組合などの団体経由で加入しておかなければ、いざという時に更新を拒否されてしまうかもしれないのです。
団体の規模などによっても保険料率や割引率が異なりますので、どの団体を経由して加入するかをよく検討する必要があります。

⑧ 団体長期障害所得補償保険(GLTD)

日本の社会保障制度のなかで最大のリスクは、長期間にわたる就業不能です。
万一、世帯主が亡くなった場合は、加入している生命保険が支払われ、住宅ローンは返済不要となり、遺族年金も支給され、配偶者も働きに出れば収入を得ることもできます。
しかし、寝たきりとなってしまった場合は、生命保険は支払われず、住宅ローンも残り、配偶者も看病のために働きに出ることもままならない状況となってしまうかもしれません。日本の社会保障制度を考えると、就業不能状態が長期間にわたることが最大のリスクといえるのではないでしょうか。
GLTD は、健康保険の傷病手当金とは異なり、1年6カ月で支給停止されることなく、最長70 歳まで補償が得られ家族の生活を守ることが可能となります。全く仕事ができない状態だけではなく、医師として復帰できたとしても障害が残り、20%超の所得を喪失した場合には所得の喪失率に応じた補償が継続的に得られます。
契約方法としては、所得補償保険の補償期間1 年タイプと70歳までの補償期間のGLTD の免責365日タイプにセットで加入することを推奨されています。
しかし、この加入方法では対応できないケースも多いと思われます。

【所得補償保険(てん補期間1 年タイプ)とGLTD(免責365 日タイプ)にセット加入の例

仮に4月1日に入院・手術を行い3カ月間の療養で7月1日に職場復帰、しかし11月1日に再発や症状悪化で再入院となった場合では、1年間の補償期間の所得補償保険で補償が受けられるのは、最初に就業不能となった4月1日から1年間まで。
一方、GLTDの免責365日タイプでは、給付が受けられるのは再度就業不能となった11月1日より365日間の免責期間を経過した後からとなってしまいます。
翌4月より11月まではどちらからも給付されない空白期間が発生してしまうのです。
こんなはずじゃなかったと嘆かないためには、所得補償の加入に際しては、専門家のアドバイスを受けてプランの選択をしてください。

※就業不能の終了日からその日を含めて6カ月を経過した日までに就業不能が再発した場合、その就業不能が前の就業不能の原因となった身体障害によるものであるときは、同一就業不能とみなされて最初に就業不能となった日を起点として選択された補償期間の満了日で補償が打ち切りとなります。

⑨ 開業時に加入しておくべき生命保険とは

開業するにあたって生命保険に加入する目的のひとつに、開業資金の借り入れの債務保証があります。 債務保証のためであれば、借り入れ残高の減少におうじて、保険金額が推移するような逓減定期保険や収入保障保険が提案されることが多いようです。 これらの保険では、保険料を抑えて必要な保障を確保することは可能となります。

開業当初は毎月の保険料の支払いを増やさずに、医院経営を安定させるのが先決などど、合理的とも思える耳障りの良いアドバイスでこれらの保険が提案されますが、本当にそれで良いのでしょうか。 長期的な視点で保険商品を選択することが、結果的に無駄を省き合理的な保障設計ともなります。

開業資金の借り入れの返済が終わったとしても、改装やその後の医療機器の購入は繰りかえされますが、それはすべてキャッシュで賄うのでしょうか。 借入を繰り返してクリニックを運営して行くことになるならば、保障額が減少していく保険商品の選択に合理性はなくなるのです。

また、保険はなるべく安い掛け捨てで、こどもの教育資金や将来に向けた貯蓄はしっかり積み立てるというよりも、掛け捨てとならない保険商品を選択された方が合理的なのかもしれません。 場当たり的な保険商品の選択をするのではなく、明日につながる保障設計を生命保険を熟知したプロフェッショナルのコンサルタントから提案を受けることをお勧めいたします。 築き・護り・引き継ぐために、生命保険は重要なファクターとなります。

医院経営のクリニックマネジメントで信頼と実績の松木FP事務所が
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松木 祐司の写真

松木 祐司(まつき ゆうじ)
CFP®・1級FP技能士

出演・寄稿

出演 テレビ東京「お金の達人」、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」
寄稿 取材協力
Doctor book「医院経営のリスクマネジメント」
THE医院開業「お金の話し」
アポロニア21「医院経営のリスクマネジメント」
日本歯科新聞「妙薬・効薬・特効薬」
ドクターズキャリアマガジン、クリニックマガジン、企業実務、日経おとなのOFF、週刊東洋経済 他

著書

著書 生命保険のありえない裏ワザ(宝島社)
お客様を護る生命保険活用術(近代セールス社)
FPスキルアップシリーズ ドクターマーケット開拓編 他
著書1 著書2
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